John07ここの所、堰を切った様に文房具ネタ、とりわけ万年筆に関するエントリーが溢れていますが、さらに追い討ちをかける様に、今回も万年筆の話しです。
然も、現時点で、僕にとって究極の万年筆と言っても過言では無い万年筆のお話です。

元来、筆圧の高い僕は、それをカバーして、長時間の筆記にも耐えられる筆記具として、万年筆を中学生から使っていました。
その頃、巷では、大橋巨泉さんのCMで一斉を風靡した、例の「ハッパフミフミ」のパイロットエリートが流行っていまして、僕も中学の入学祝いに1本戴きました。テストの答案以外は、何にでも使ってました。
中学生の頃、僕と同じ様にノートを取る筆記具として万年筆を使っていたクラスメートは、結構沢山いて、中には、中国製の万年筆(確か「英雄」と言う製品だったと思います)を使っていたクラスメートも居ました。そのクラスメートからの薦めもあって、僕も英雄を買って使った記憶があります。それには、赤インクを入れて、赤鉛筆や赤ボールペンの代わりでした。
この英雄と言う万年筆、ペン先はスチール製だったと思うのですが、値段の割りに書き味が良く、然も、安価だったので、僕のお小遣いでも買えたんですね。確か、当時の販売価格は数百円だったような記憶があります。

高校に上がっても、基本は、矢張り万年筆でした。これは、大学生になってからもそうでしたし、就職後も基本的に万年筆使いでしたね。
余談ですが、早稲田大学の入学試験は、確か、万年筆で書かないといけなかったと思います。今は、マークシート形式が主流で、鉛筆での回答ですよね。この辺は、時代を物語りますね。

さて、僕の万年筆編歴については、別の機会に譲るとして、今回の主題に入りましょう。

John01今回僕がご紹介するのは、万年筆の最高峰と言っても過言ではないモンブラン。然も所謂限定品。Love & Peaceを標榜する僕のフェイバリットミュージシャンであり、リスペクト出来る偉人と言っても過言ではないジョンレノンの限定エディションです。
これは、モンブランが、ジョンの生誕70周年を記念して製作したもので、3つのエディションが製作されています。僕が今回ご紹介する「JOHN LENNON SPECIAL EDITION」と、「JOHN LENNON COMMEMORATION EDITION 1940」、そして「JOHN LENNON LIMITTED EDITION 70」の3タイプです。
「COMMEMORATION EDITION 1940」は、ジョンの誕生年である1940年を祝う意味で、世界で限定1,940本が生産販売されています。
また、「LIMITTED EDITION 70」は、ジョンの生誕70周年を記念してこれも世界限定70本のみの生産販売です。このエディションは、1本278万2,500円(税込)もするのですが、既に完売したそうです。ジョンの人気を裏付ける結果ですね。銀座のモンブラン本店のスタッフの方のお話では、殆どがアメリカで買われてしまった様です。

さて、そんな高嶺の花の話しではなく、今回は、SPECIAL EDITIONのお話し。この万年筆も十分に高嶺の花なんですけどね。僕にとっては、一生ものです。
この万年筆は、マイスターシュティックの146がベースの限定モデルで、キャップの天冠には、モンブランの象徴であるホワイトスターがデザインされ、その下のクリップとの接合部は、キャップの周りに輪が配置されているのですが、そこに、シリアルナンバーが彫刻されています。
また、随所にジョンに因んだデザインが施されています。
John02 ボディは、ブラック・プレシャスレジン製で、そこにアナログレコード盤の溝を模した滑らかな溝が施されていて、触ると何とも言えない感触が指に伝わります。アナログ盤育ちの僕としては、レコード盤の溝を指で触らないように心がけるのが習性になっていますから、何と言うか、禁断の感触です。
クリップは、ギターのヘッドからネックを模したデザインになっています。チューナーや弦もちゃんと6本あったりと、細部迄しっかりとデザインされています。 ペン先は、18Kで、モンブランの象徴である4810の数字と、ジョンを象徴するピースマークが彫られています。
そして、キャップは、螺旋式で、どの角度から回しても、常に一つの方向でボディと合う様に設計されています。これが、感動です。
キャップとボディが合わさる部分にギターのサウンドホールをイメージした円形のプレートがデザインされており、そこにジョン・レノンへの自画像が刻まれています。この自画像は、やはり生誕70周年を記念して生産されたGibsonのJ-160Eにも描かれているモデルがありますよね。
John03 この自画像は、僕が一寸前まで使っていたジョンレノンメガネフレームの鼻パッドにも小さく描かれていた奴で、ジョンが生前サイン代わりに使っていたというエピソードもあるようです。
用意されているニブは、“M”(中字)と“F”(細字)。僕が選んだのは“M”。対応に当たってくれた女性スタッフ(彼女自身は149のMを所有)のお勧めは、絶対“M”だとのこと。まぁ、“M”で正解でした。
書き味は、言わずもがなというところですが、インクフローは潤沢、ペンの重さだけでヌラヌラと書けてしまいます。然も、意外に小さな字も潰れずに書けます。
インクは、吸引式。僕は、これにモンブランから新しく発売されたアイリッシュグリーンというインクを充填して使っていますが、これも実にシックな色合いです。
ただ、これもモンブラン銀座のスタッフさんによると、インクを変えるときは、十分に洗浄、乾燥を繰り返して欲しいとのこと、このインク可也抜き取るのに根気がいるそうです。
この万年筆に、イマジンのアナログレコード盤とCDがおまけに付いて来ます。しかも、往年の30cmLPレコードサイズの黒いボックスに入って来ます。手提げ袋も同じデザインです。
John04 元気がなくなった時に、ペンケースから取り出して見ているだけで、癒されます。書かなくても手にとって、その重さを感じるだけで、なんだか優しい気持ちになれます。流石、"Love & Peace”を標榜したジョンの魂の宿る万年筆だけあるかなと思っています。

P.S.
先日、トラブルがあって、ネットの販売元に送り返していたLAMY2000の万年筆ですが、メーカーから初期不良と言うことで、新品交換。先週、販売店から再送されてきました。
実に、迅速な対応で、本当に感激です。