IMG_0662先週の日曜日にインフルエンザA型に罹患。
一週間、自宅軟禁と言う事態になった。
処方されたタミフルが効いた様で、熱は、意外に短期間に引いたのだが、身体中の関節が悲鳴を上げた。この年で40.2度の発熱は、矢張り知らないところで、体にダメージを与えていた様だ。
そんな中で、熱も引き、ただ、軟禁状態と言う状況が続くと、頼みの綱は、ネットになる。
以前から気になっていたPARKERのIngenuityをネットで調べて見たら、Amazonで安く買える事が判明。定価に比べて、6,000円以上も安い。
熱に魘された後と言う事もあり、つい、ポチってしまった。ポチった翌日にモノは届いた。
ラバー製の胴とキャップは、思った以上に品格がある。そして、結構自重がある。僕の購入したブラックラバーCTは、仕様をネットで調べたところ、38gある様だ。これが、ラバー製の胴と合間って中々持ち易い。
附属のリフィルは、黒のF。細字だ。同時に青のMのリフィルも届いたが、ここは、黒を試して見た。
始めは、細いし、紙の抵抗もあって、イマイチの書き心地だった。ただ、取扱い説明書では、次第に書き手の癖に馴染むと言う事だったので、とりあえず、色々と書いて見る事にした。
このペンのリフィルの先端は、サインペンの一種の様に固めの樹脂で出来ているような感じだ。本体には万年筆のようなフードが付いているので、基本的には、一定方向で紙にリフィルの先端が触れる事になる。
なので、そこがスウィートスポットになる訳だ。そうなると、抜群の書き味になる。万年筆と比べると、書き味は、矢張りサインペンに近いかなと言うところ。
万年筆との大きな違いは書いた直後の筆跡にそれが現れる。万年筆は書いた直後の筆跡を見ると、インクの濃淡が、はっきりと出るが、Ingenuityの場合は、インクの濃淡が殆ど出ない。
ただし、インクにもよるが万年筆の筆跡も、一日経つと、殆ど濃淡が分からなくなる。
Ingenuityのリフィルは、僕の場合、MOLESKINEのノート15頁程で、スウィートスポットが固定した。実に書き易くなる。万年筆やサインペンと言うより、非常に細い筆ペンと言う書き味かな。
Ingenuityは、万年筆を知らない人には、その素晴らしさが、はっきりと分からないかもしれない。
例えば、生まれて初めて万年筆を買おうと心に決めて、文房具屋さんに行った人が、万年筆ではなく、Ingenuityを選ぶかと言うと、疑問が残る。
優れた筆記具を探しているとしたら、Ingenuityも候補に上がるとは思うが、まだ、認知度はかなり低いので、意識して求めない限り、万年筆の代わりにIngenuityに逝くと言うのは、考え辛い。
万年筆の経験も十分で、PAPKERの言う4つの筆記具(1.万年筆、2.ボールペン、3.ローラーボール、4.シャープペンシル)の短所長所を良く理解している人がIngenuityに興味を持つのだと思う。
勿論、文房具屋さんのデモンストレーションによって、Ingenuityを選ぶと言う事は、有り得るとは思うが、自ら、万年筆を買おうと言う意識で文房具屋に行った人は、万年筆を買うだろうと言う事だ。
ただ、少し高級で優れた性能の筆記具を求めるのであれば、Ingenuityは、個人的には、ありだと思っている。
Ingenuityの長所は、その書き味は、別として、PARKERの言う4つの筆記具と比べてみると、以下のような事になるようだ。
先ず、万年筆に比べて扱いが楽。インクの充填やメンテナンスが要らない。インクが無くなったら、リフィルを交換するだけで良い。まぁ、この点は、万年筆もカートリッジを使えるものは、同じような事が言えるのだが、カートリッジのインクは、そんなに潤沢ではないので、可也頻繁な交換が必要になる。また、 速乾性のインクは、書いた後に擦れたりしない。
次に、ボールペンに比べると、書き始めから、インクが擦れずにスムーズに出て来る。インクが玉になる事もない。
ローラーボールと比べて、殆ど書くのに筆圧を必要としない。ペンの自重でスラスラと書ける。これは、万年筆に近い感覚だ。
また、PARKERによると、飛行機などに乗っても、気圧の変化で、インクが漏れたりもしないそうだ。
最後にシャープペンシルだが、Ingenuityと比べると言うのも少し違和感があるが、シャープペンシルは、鉛筆と同じなので、消しゴムで消えてしまうし、インクとの発色の違いは、比べる事ではないかなと思う。
ただ、少し似ていると思うのは、シャープペンシルの針も、同じ方向から書き続けると、Ingenuityと同じ様に、スウィートスポットが出来る。これを利用すると、書き易くなる。
Ingenuityは、耐水性も万年筆に比べて、確保されている様だ。
では、Ingenuityの短所はと言う事になるが、一つは、まだ、メジャーな筆記具ではないので、リフィルが、PARKER一種類しかないし、もしも、このペンが、営業的にポシャったら、リフィルの販売も打ち切られるだろうし、使えなくなってしまう恐れがある。そうならない様に、PARKERには、頑張ってもらわなくてはならない。
まぁ、先ほども行ったとおり、万年筆を買う意識がある人には、薦めないが、万年筆を使い込んでいる人で、気軽に高性能な筆記具を探している人には文句なく進める事が出来る。
さて、Ingenuityは、MOLESKINEノートとの相性も良い。殆ど、裏写りもしないので、安心して書ける。
今まで、万年筆で書いていると、裏写りが激しくて、書くのに支障があった。Ingenuityのインクでは、僅かな裏写りがあるだけなので、気にせずにMOLESKINEノートに使える。
万年筆とは、違う筆記具だが、暫く振りに書く事が好きになる筆記具を手に入れた。Ingenuityは、そんな気にさせてくれる久々の筆記具だ。