「目には青葉山ほととぎす初鰹」江戸時代中期の俳人山口素堂の作品で、日本の初夏を感じさせる有名な俳句です。鰹は春先から日本近海に来遊し、4月の下旬から5月にかけて、初鰹として珍重されます。
ところが、初鰹を珍重し、血道を上げて初ものにこだわるのは、江戸っ子の粋を尊ぶ気質からくるもので、関西では、むしろ、脂がのって鰹本来の旨味が出る戻り鰹を珍重します。そのおいしい戻り鰹の季節は、まさに今です。どちらの言い分が正しいか、お近くの寿司屋さんで鰹を注文し、自分で確かめてみませんか。
江戸は、誰よりも早くその年の初物を食べることを粋とし、難波は、鰹の味に重きを置く。鰹という魚だけでも日本の東西の食文化の違いがはっきり出るのは、おもしろいことですね。

【参考】
目には青葉山ほととぎす初鰹(素堂)
初鰹:陰暦4月頃、一番早くとれる走りのカツオ。美味で、珍重される。初松魚。(季・夏)
山口素堂:江戸中期の俳人。名は信章、号は素仙堂など、庵号は其日庵。甲州の人。儒学・書道・和歌・茶道・能楽をも学び、江戸に出て芭蕉と親交を結んで蕉風の成立に影響するところ多く、葛飾風の祖とされる。(1642〜1716)