食いしん坊にとっては、この上のない季節“食欲の秋”の到来です。数ある食材のなかでも、秋の味覚の代表として、日本人にとりわけ珍重されるきのこが松茸です。松茸は、アカマツなどの針葉樹林の木の根元に生えます。「におい松茸、味しめじ」といわれるように、非常に豊かな香りとシャキシャキとした食感が得も言われぬ味わいです。
松茸は、環境や気候の影響を受けやすく、開発や森林の伐採などで、収穫が難しくなってきたことや、人工栽培も困難なことなどから、とても高価なものになってしまいました。最近は、韓国や中国、そしてカナダなどからの輸入ものが出回り、国産ものに比べて比較的安価で買えますが、味・香り共に国産ものには勝てないようです。
松茸は、無機質とビタミンが豊富で腫瘍抑制物質が多く含まれていると言われています。また、熱量が少なく、味も美味しいので、肥満の人にはお勧めです。しかも、血中のコレステロール数値を下げて血液循環を助けるので、動脈硬化、心臓病、糖尿病、高脂血症などの成人病にも効能があります。
香りと歯ごたえを楽しむには、そのまま炭火で焼き、レモンと醤油を振り掛けて食べたり、海老や銀杏と一緒に食べる土瓶蒸しなどが定番。そのほか、松茸ごはん、天ぷら、など。食べ方はいろいろです。成分の約 90%が水分ですが、栄養価やうま味が凝縮されている上に低カロリーの食材ですから、旬のこの時期に存分に味わいたいものですね。